willis tower



●ウィリスタワー (旧シアーズタワー)
Willis Tower


 ウィリスタワーの話題になると、必ずビルの高さについて話が進みます。 それは当然なことで、1974年の設立以来、今はなき高さ413メートルの世界貿易センターを19メートルほど越す、443メートルに及ぶウィリスタワーは世界一高いスカイスクレイパーとなったのです。 そして、その名声はマレーシアのペトロナストゥインタワーが1997年に完成するまでの23年間、「世界で一番高いビル」として世界中の人々に知られ続けたからです。

 また、「世界一の高さ」に関しては、ペトロスタワーとの間で議論が飛び散り大きな話題にもなりました。この原因はビルの測定方法の相違で、ペトロスタワーはビルの上にあるアンテナも含めて測ったのに対し、ウィリスタワーはアンテナを含まずビルの頂点から測定されました。この測定方法の違いが建築業界で高層ビルの測定基準に大きな波紋を投げかけました。 もし、ウィリスタワーがアンテナを含めて高さを測ったのであれば527メートルの高さに及び、2004年に完成された509メートルの高さの誇る現在で一番高いビル、タイペイ101タワーより高いことになります。

 測定の基準はどうあれ、現在でも多くのシカゴ市民にとってはウィリスタワーが一番高いビルだということに間違いはありません。確かにペトロナストゥインタワーやタイペイ101は建築史上では高いことになっていますし、また、2008年に完成予定のUAEでのバージュ・ドバイはタイペイの高さを遥かにしのぐといわれています。

 それでも、多くのシカゴアンの心中には空に届くウィリスタワーの高さへの想いは強く、一概に他の高層ビルとの数字による高さの比較だけでは表すことができません。 それはシカゴにとってウィリスタワーはこの都市の象徴であり、また誇りであるからです。

 ウィリスタワーの設計家CMOのブルース・グラハム氏は彼自身の自伝でこのスカイスクレイパーについて次のような事を書いています。
「高いビルディングは人の手で築き上げた遺跡である。歴史を振り返ると重要なスカイスクレイパーはその所用者の自負にとどまらず、その都市と其処に住む市民とのシンポルになっていくものだ。ウィリスタワーはシカゴの土地に建てられたビルである。 ニューヨークのように銀行のビルでなく、人々のタワーである。」

 シカゴ市民、そしてこの都市を愛する人々にとっては、ウィリスタワーは「建築界の首都、シカゴ」の大事な烙印であり、またルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエやフランク・ロイド・ライトなどの建築芸術にになうこの都市の遺産であるということです。 

 時代が重なるごとに、どのスカイスクレイパーもいずれは他の高層ビルにその座を奪われてしまうことになります。 それは世界で一番高いビルディングとして24年間その座を守り通したこのウィリスタワーにとっても同じことです。 しかしそれ以上に、この超高層ビルはこの都市のシンボルとして愛されているということでしょう。 

 シカゴ市民にとってダウンタウンの摩天楼を眺めた時にウィリスタワーはなくてはならない存在で、その壮大な高さに人々は感嘆し魅了されます。そして、これからもウィリスタワーはシカゴにとって一番高いのビルとして認識されていくことでしょう。



●タワー


 ウィリスタワーは233のサウス・ワカードライブ、ダウンタウンの心臓部、ループの少し西側にあります。 外壁は黒いアルミニウムとブロンズ色を帯びたガラスに統一され、装飾は最小にし、ブロックを積んだようなデザインはシンプルでウィリスタワー独自の壮大さと雰囲気をかもしだしています。

 ウィリスタワーの特徴は9つの正四角柱の高層ビルが寄り添うように集結され、ひとつのスカイスクレイパーになったということです。このmega-moduleシステムと呼ばれる奇抜な発想は建設エンジニアのファズラー・カーンFazlur Kahnによるもので、23メートル四方の正四角柱型の剛鉄フレームを設け、床をフレームから下げるように構造しました。

 カーンとCMO会社の設計者グラハムはこのような四角柱のビルを9つ用いて、その中で最も高いビルを中央に位地し、段差の違う低いビルが中央のビルを支えるように設置しました。この構成によりミシガン湖からの強風の威力をそれぞれのビルに分散することができ、ビルの高等部の揺れを最小限に留めることに成功したのです。

 9つのビルのうち2つは49階まで、5つは65階と90階まで、そして最後の2つの正四角柱を連結し長方形柱型にしてビル頂点443メートルに達します。 4つの段差がありそれぞれのビルは相称的に連結されていない為、東西南北の四方からみると外見がどれも異なります。つまり、どの方向から見ても外観の輪郭が同じ形でないことがこの超高層ビルの特徴の一つでもあります。

 ウィリスタワーのもう一つの特徴といえばタワーの上のアンテナです、ジョンハンコックと同じようにタワーの頂上に相対的に位置された2本の長いアンテナが空を指し、この高層ビルの高さをさらに強調しています。

 西のアンテナは77メートル、東のアンテナは84メートルの長さにおよび、この東のアンテナはCBSとWBBMの受信を向上するためさらに長く改善され2000年にヘリコプターにより設置されました。アンテナの高さを含めるとウィリスタワーは527メートルの高さを誇ることになります。


●展望階 スカイデック


 ウィリスタワーのオフィスのアドレスは233のサウス・ワカードライブですが、展望台の入り口はタワーの南側のジャクソンブルバード通りにあります。

 展望階スカイデックは103階、412メートルの高さにあり、毎年13,000,000人の観光客で賑わい、見晴らしの良い日にはイリノイ、インディアナ、ウイスコンシンそしてミシガンの4州が見えます。また、視界はおよそ65から80キロ先まで肉眼で見ることができ、風が強い日には建物の揺れも体験することが出来ます。 

 スカイデックに向かうエレベーターには50インチの巨大なモニターが取り付けてあり、NASAからのスペースシャトルのイメージが上映されていて展望階へ移動する時間を楽しませてくれます。

 また、この展望階には多彩な展示物が置かれて、シカゴや中西部について楽しく学ぶこともできます。特にクール・カットアウト・ウインドウはシカゴの歴史を代表する事柄を集めた展示物で高く評価されています。また、最新の技術を用いた望遠鏡はダウンタウンのオフィスを覗くこともでき観光客の人気の的です。

 レストランは簡単なファーストフードが主で、歩きすぎて小腹が空いたときのスナックには最適です。 ミセスLevy'sのサンドイッチとアイスクリーム、Mia Torreのイタリアン、 Dos Hermanosのメキシカン、そしてEadies のファーストフードなどが展望界内にあります。

●営業時間

毎日スカイデックは10時に開きます。
5月から9月までは夜の10時まで
10月から4月までは夜の8時まで

料金
3歳から11歳は$ 8.50
12歳から64歳は$ 11.95
65歳以上は$ 9.95
なお三歳以下は無料です。

Willis Tower Skydeck
233 S. Wacker Drive
Chicago, IL 60606
(312) 875-9696

http://www.the-skydeck.com/



●歴史

 シアーズタワー (現ウィリスタワー)と言えば、シアーズ会社、さらにはこの会社の創立者リチャード・シアーズを置いては語ることはできないでしょう。

 リチャード・シアーズは1863年にミネソタの小さな街に生まれました。父ジェームスは事業に失敗し、大きな借金をつくってしまいシアーズ家は厳しい生活をおくります。家族の生計を助けるためリチャードはミネアポリスとセントルイスを繋ぐ鉄道で働きながら、片手間に石炭や木材を売っていました。

 ビジネスに興味を持っていたリチャードは、近くの宝石店に却下された数多くの委託販売の時計が返還されようとするのをみて、返還先の時計業者に頼んですべての時計を買い集め、自分自身で売り始めました。そして6ヶ月後、時計中心の通信販売のビジネスを立ち上げ、僅か22歳の若さでミネアポリスに会社を構え、そして1887年にシアーズはシカゴに進出します。

 通信販売業はシカゴに移動した後、時計に限らず多彩な商品を扱い始め、ビジネスの規模を大きくし大成功を収めます。 シカゴは中西部の中心地であり、地理的に通信販売するには最適な場所でした。 「Shop at Sears and Save.」 のスローガンの下、この企業は東海岸、南部、西海岸と名声を広め、アメリカ全土に通信販売を復旧させました。

 創立者リチャード・シアーズの死亡後もシアーズ会社は拍車をかけるように膨らんでいき、1960年代にシアーズは全盛期を迎えます。年収は450,000,000ドルに登り、13カ国と取引を行い、2,100のセールスオフィスを全米に控え、支店を826、通信販売の工場を11設けることになります。 1969年には従業員350, 000を雇い、シアーズ会社の製品は全米の製造する製品とサービスの1パーセントに達したほどです。

 そのような状況の中、シアーズの官僚部は、シカゴ近郊に散らばっている工場やオフィスを終結させ効果的な運営を営もうとし、ダウンタウンの西側に一つの大きなヘッドクォーターを建てることに決断しました。場所や、敷地そして将来への発展のためのオフィスなどを考慮する折に有能な設計会社SOM (Skidmore, Owings and Merrill) を雇い、シアーズ官僚部はSOM設計会社と共に100階に及ぶ高層ビルを建てることに踏み切ります。当時ニューヨークで建設中の世界貿易センターをしのぐ世界で一番高いビルの設計を進めていきました。

 建設費は一切シアーズ会社が負担し、テレビ受信のアンテナを設けるという条約の下に市との契約が1971年に成り立ち、早速建設に突入しました。 このスカイスクレイパーの建設費は150,000,000ドルを要旨、契約した3年後の1974年に世界で一番高いシアーズタワーが無事に完成しました。

 しかし、シアーズ会社はタワー設立後、経営難を迎えます。Kmart, Kohl's 、 Wal-Martなどの競争相手の進出し、また、通信販売の需要の著しい低下により会社の経営は僅か十年で衰退してしまいます。 シアーズタワーのオフィス・スペースは空きが多くなり、他社からもオフィスを借りてもらえず、80年代にはタワー内の半分以上の事務所は活用されていない状態になりました。 その結果1991年には資金難のため嘗て最強と誇った百貨店は抵当を受け渡す破目になったのです。

 1995年にはシアーズ会社は完全に立ち退き、この世界で一番高いビルとは関連を一切失い、ただ名前だけが残ることになりました。 その後何人かのオーナーが移り変わり、現在では、法律事務所、証券会社、保険会社など100以上の会社のオフィスとして利用されています。



●豆知識

  • ウィリスタワーはアメリカで一番高いビルです。建物自体は442メートル、建物の上に設置されているアンテナを含めると527メートルの高さになります。
  • 平均の揺れは中心部から15センチになり、高いオフィスで働いている人は慣れるまで軽い乗り物酔いのような症状になりがちだと言われています。
  • ウィリスタワーの窓の数はなんと16,100もあり、6つの窓拭きロボットが絶えず活動しています。
  • 毎日およそ2万5千人がこのビルを出入りし、毎年1,500,000人の観光客がスカイデッキを訪れます。 
  • ロビーの公共芸術はアレキサンダー・カルダーAlexander Calderによるもので、タイトルは「ザ・ユニバース」です。 
  • フロアの数は110階とされていますが、これはエレベーターと天井を数にいれて合計したもので、実際に人が立てるフロアの数は108です。
  • ビルの高さでは一番の座を奪われしまいましたが、スカイデック展望階へのエレベーターの速さは世界一で、1分間に488メートルの速度で登ります。
  • ウィリスタワーは過去2回、2人の冒険家によって登られました、最初はダン・グッドウインDan Goodwin 1981、そして1999年にはアレイン・ロバートAlain Robertです。
  • ダン・グッドウインはラスベガスのスタントマンで、同年、スパイダーマンの衣装を着てジョンハンコックタワー登り話題になりました。 フランス人、アレイン・スパイダーマン(自称)ロバートはなにも防御機材をつけず、しかも素手でタワーの天辺まで登りました。ロバートによると途中霧が濃くなり表面が滑りトップの20階は登るのに苦労したとのことです。どちらの冒険家も天辺まで達成した後警察に捕まり罰金をとられました。 また、2人ともスパイダーマンと称しているところが面白いですね。

Willis Tower

233 S. Wacker Drive
Chicago, IL 60606

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