シカゴから日本へ届け。続々と広がる日本救済・応援の輪

 シカゴ時間 3月10日午後11時46分。東日本大震災発生のニュースは、真夜中のシカゴを駆け巡った。あわててテレビを日本語チャネルに合わせる。そこで見た光景は、誰しも一生忘れることはないだろう。どんなに祈ってもこれは現実なのだ。 あの “3・11”以来、どれほど多くの日本人が、今、自分が生かされていることの意味を考え、「自分に何ができるのか?」と必死で問い続けただろう。そして、故郷を遠く離れ海外で暮らす日本人たちは、いったいどんな想いでこの“3・11”を受け止めただろう。離れていても日本の復興を願う心はひとつ。「いま私にできること」を合言葉に立ち上がったひとつひとつの小さな勇気が周りを突き動かし、ここシカゴでも大きなうねりとなっている。

立ち上がった日本人主婦たち
 シカゴ郊外に住む主婦Kさんも、勇気を出して行動を開始したひとり。震災から2日後、子供の通う学校の校長先生に直接こんなメールを送った。「学校で子供たちに日本救済のための募金活動をさせてもらえませんか?25セントの募金につき、折鶴をひとつ渡し、集まったお金は学校から赤十字社の日本地震救済窓口に寄付していただけたら」。

 もともとアメリカの学校は、災害募金など社会貢献活動を教育の一部として積極的に取り入れている土壌もあり、この一通のメールは校長先生ほか多くの教師を動かした。すぐに多くの賛同が得られ、4月に大々的な募金活動が催される運びとなったという。Kさんの報告に勇気づけられ、ほかの主婦たちも次々と行動を開始。「私も募金活動のことを校長先生にメールしたところ、話がすぐにすすんで春休み明けに“Japan Earthquake & Tsunami Relief week”として1ドル募金活動をすることになりました」(Iさん)など、子供の学校へ働きかける日本人ママたちの輪が広がっている。

子どもたちに芽生えた社会貢献の心
 アメリカらしいのは、このような募金活動をある程度子供たちに任せるところだ。Iさんの長女(10才)も、募金運動のポスターと募金箱の作成、校内アナウンス係りを任され、春休み中はこれに一生懸命取り組んだという。地震のニュースに心を痛めている親を間近に見ているのは、ほかでもない子供たち。メキシコ人の夫を持つA子さんの長男Kくん(9才)も、そんな母親を心配してあるとき小銭を貯めた自分の貯金箱を持ってきた。「それを学校のフロントに置いてもらったら?」と提案したところ、その日のうちにクラスから校長へと話が伝わり、3月21日から一週間の募金活動が実現。集まったお金は、クラスメートの父親の会社のご厚意で倍額になり(いわゆる“マッチング”と呼ばれるシステム)、総額$1634ドルもの寄付になったそうだ。母を気遣うKくんの優しい心がクラスを、学校を動かし、日本の被災地へと向かう。Kくんにとってこの活動をやりとげたことは人生の大きな自信になったはず。そのほかにも、アメリカの現地校の中で今まで目立たなかった日本人の子供たちが、震災の募金活動の中心となり思わぬリーダーシップを発揮する例も増えているという。

子どものやる気を引き出す学校の取組み
 面白い募金方法を採用している学校もある。シカゴ郊外のある小学校では、体育の授業で「JUMP FOR JAPAN」という“縄跳び大会”を開いた。「縄跳びを通して子供たちに日本で起きた地震・津波の理解を深めさせよう」という趣旨で、子供が縄跳びを跳んだ回数に応じて親が寄付をするというもの。(例えば、一回2セントとすると100回跳んだら20ドルの寄付金を親が寄付する。)

 子供たちは、頑張れば頑張るほど沢山のお金を寄付することができ達成感を得ると同時に、チャリティー精神を学ぶことができる、という素晴らしい試みだ。

*4月2日土曜日に郊外の小学校で開かれたジャパン・フェアには、周囲の学校関係者、保護者も多数催しに参加。短い時間にもかかわらず大勢の来場者が訪れ大成功に終わった。収益金9500ドルは全額、東日本大震災救済のためアメリカ赤十字に寄付された。

ガレージセールの売り上げを義援金に寄付
 4月の週末を利用し、「ガレージセール」を開いて義援金を集める動きも出ている。たんすの肥やしになっているものや着られなくなった子供服・おもちゃなどを、自宅のガレージに並べて好きな値段をつけきれいさっぱり売りさばく、シカゴの春の風物詩ともなっているガレージセール。これをいくつかの家族が合同で行い、売り上げをすべて義援金に寄付するという試みが、日本人主婦たちを中心に広がっている。「家の中がすっきりするし、なかなか手放せなかったものでも日本のためになると思えば喜んで手放せる。一石二鳥です」と、ある主婦は話す。ガレージセールを利用して手作りの和風クラフトなども製作し販売するケースもあり、ちょっとした“ジャパン・フェア”の様相も。自分たちが楽しみながら、遠く離れた母国のために何かをしようという主婦たちの健闘も見逃せない力となっている。

ブルース、Jazz、クラシック・・・・これぞシカゴのチャリティーコンサート
企業や組織が主催する募金活動も活発に行われている。4月1日には、シカゴ市の外郭団体である「シカゴ国際姉妹都市(Chicago Sister Cities International)」主催の「日本大地震救済募金チャリティーコンサート」が催された。
会場には募金コーナーや被災地へのメッセージコーナーなどが設けられ、大勢の来場者でにぎわった。デイリー・シカゴ市長、クィン・イリノイ知事、久枝日本総領事などの挨拶に続きメインイベントの豪華なパフォーマンスが始まる。主な出演者は、橋森ゆう希(ヴァイオリン)、シカゴ・シンフォニーオーケストラ所属の日本人団員らで構成する“CSO's Civic Orchestra of Chicago and Friends”、司太鼓Kids、Erwin Helfer(シカゴブルースピアノ)&Clark Dean(Sax)、シカゴ在住のブルースピアニスト、野毛洋子さんを中心にシカゴを代表するブルースメンたちで結成された“Yoko Noge’s Japanesque”。
シカゴで活躍する各界のミュージシャンが一堂に会した見ごたえのあるパフォーマンスに、会場は終始熱気に包まれた。この日集まった義援金は、全額アメリカ赤十字社に寄付される。


(左) 司太鼓Kidsの力強い演奏

 (右)タツ青木さん(三味線)と、ジミー・バーンズ(ギター)らの豪華競演

これは長期戦。心をひとつにして日本を支援しよう
 まだ記憶に新しい、2010年1月12日のハイチ大地震の際、発生から4日以内に1億5000万ドルを上回る募金額を集めた“募金大国”アメリカ。背景には、前述のように子供の頃から社会貢献活動を身近に体験している風土がある。私も出かける先々で「I’m praying for Japan」「ご家族は大丈夫?」と声をかけられ、この震災に対するアメリカ人の深い関心と哀悼の気持ちを肌で感じた。海外に暮らす私たちがいま日本のためにできることは、さらに一人でも多くの人たちに日本で起こったこの大災害のことを理解してもらい、復興のための募金活動への参加を働きかけること。この動きが一時のもので終わらないよう、「いま私にできること」を毎日忘れずに日本の復興を遠くから支え、共に歩んでいこう。


取材・文・撮影/長野 尚子、撮影/藤河 信喜


●今後行われる震災募金イベント

4月12日(火) 6:00 PM - 11:00 PM
“ジャズ・ショウケース 被災者支援コンサート” (HOPE: A NIGHT OF JAZZ, BLUES, WORLD MUSIC & HUMAN FELLOWSHIP FOR THE BENEFIT OF THE PEOPLE OF JAPAN)
場所: Jazz Showcase, (806 S. Plymouth Court, Chicago)
詳細: http://www.jaschicago.org/uploaded/docs/event/lapanposterF5.pdf

4月13日(水)〜15日(金) 8:00 AM - 8:00 PM
“CHOCOLATINES SALES TO GO TO JAPAN EARTHQUAKE/TSUNAMI RELIEF FUND”
場所: Chocolatines, (1101 Tower Road, Schaumburg)
詳細: http://www.jaschicago.org/en/events/Default.aspx?eventid=174

4月14日(木) 6:30 PM - 9:30 PM
“千羽鶴プロジェクト” (1000 Paper Cranes Project)
場所:  Fulton Street Collective (2000 W. Fulton St., Chicago)
詳細: http://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/about/news/1000papercranes.pdf

4月15日(金)〜24日(日) 7:30 PM - 9:30 PM
“SHEN YUN PERFORMING ARTS - 10% OF TOTAL TICKET SALES IF YOU ENTER CODE JAPAN WILL GO TO THE JAPAN EARTHQUAKE/TSUNAMI RELIEF FUND”
場所: Civic Opera House, 20 North Wacker Drive, Chicago
詳細: http://www.jaschicago.org/en/events/Default.aspx?eventid=171

4月16日(土) 11AM - Midnight
“オールド・タウン・スクール・オブ・フォーク・ミュージック 被災者支援コンサート”
(Benefit Concert for Japan by Old Town School of Folk Music)
場所: Old Town School of Folk Music (909 W. Armitage Chicago)
出演: Yoko Noge's Japanesque, Tsukasa Taiko Kidsなど多数
詳細: http://www.oldtownschool.org/concerts/2011/4/16_japan.html
※当日はコンサートのほか、クッキーや日本の写真カードの販売、似顔絵アーティスト参加などもあり。 すべての売り上げと寄付は義援金として日本赤十字に寄付され、また集まった額と同額が「anonymous donor」によって寄付されます。

4月17日(日) 3:30PM
“Spring Music Concert 〜春の音楽祭”
チェロと琴、琴とフラメンコの、東洋と西洋のコラボレーションをお楽しみください。
Donation $15 (NCJAA member)、$20(non-member)、Free (student under 16)
場所: Central United Methodist Church (8237 Kenton Ave. Skokie)
協賛: 新シカゴ日米会(NCJAA)、シカゴ二葉会日本語学校
詳細: http://ncjaa-usa.appspot.com/ 

4月18日(月) 5:00PMAM - 10:00PM 
“タカシ・レストラン 被災者支援ディナー” (Benefit Dinner at Takashi Restaurant)
場所: Takashi Restaurant (1952 N. Damen Ave. Chicago)
詳細: Takashi Restaurant (http://www.takashichicago.com/

4月19日(火) 8:00PMAM - 1:00AM
“レストラン/マルティニラウンジ・レッドムーン 被災者支援イベント” (Red Moon Fundraisning Event: Japan Needs the World)
場所: Restaurant/Martini Lounge Red Moon (70 South Arlington Heights Road, Arlington Heights)
http://www.redmoonmartinilounge.com/#!location

4月28日(木) 6:30 PM - 9:00 PM
“シカゴ日米協会 被災者支援イベント(名刺交換会)”(DOWNTOWN MEISHI (BUSINESS CARD) EXCHANGE - 50% OF TOTAL BAR SALES WILL GO TO THE JAPAN EARTHQUAKE/TSUNAMI RELIEF FUND)
場所: District Bar Chicago(170 W. Ontario Street, Chicago)
詳細: http://www.district-bar.com/

4月29日(金)、4月30日(土) 9:00AM - 3:00PM (金曜日は2PMまで)
シカゴ西部郊外の日本家族合同によるJapan Relief・大ガレージセール
(終了につき住所削除)

5月8日(日) 2:00PM
“ミッドウェスト音楽院 被災者支援コンサート” (Benefit Concert for Japan)
場所: Prince of Peace Lutheran Church (930 W. Higgins Road, Schaumburg)
詳細: http://www.midwestconservatory.com/

● シカゴでの義捐金受付窓口
※ シカゴ日本領事館:http://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/indexjp.html
※ シカゴ日本商工会議所(JCCC)

JCCC英文HP:http://www.jccc-chi.org/en/index.asp
JCCC和文HP:http://www.jccc-chi.org/
いずれも寄付金は全額、日本赤十字社に送られます。

※ American RedCross:http://www.redcross.org/
※ Global Giving:http://www.globalgiving.org/



ホーム | 初めての方へ | お問い合わせ | 投稿者&ライター募集中! | 規約と免責事項 | 会社概要

Copyright (c) 2005 US Shimbun Corporation. All Rights Reserved.