全世界にシカゴを売り込め!
2014 “IPW(International Pow Wow)” In Chicago 


15年ぶりにシカゴで開催の“IPW”が観光推進の追い風に
 シカゴのエマニュエル市長が今最も力を入れていることは?と問われると、それは間違いなく「観光産業」だろう。就任当初から、市の経済の重要な牽引役でもある観光産業の拡大に重点的に取り組んできた市長は、今のシカゴの年間観光客数約4,600万人を2020年までに5,500万人までに伸ばすことを目標に掲げ、数々の計画を推進中だ。

 そんな中、シカゴに最大のチャンスが訪れた。それが4月5日から5日間シカゴ市内で行われた“IPW(International Pow Wow)”。IPWは、「全米旅行産業協会(U.S. Travel Association)」が主催し、毎年北米いずれかの都市で開催される米旅行業界最大のイベント。全米各地から旅行業界のあらゆる事業者が集結し、海外からのバイヤーとの商談会が行われるのだが、2014年はシカゴが15年ぶりにこの開催ホスト都市を務めることとなったのだ。シカゴの15年の進化と近隣を含めた観光地としての魅力を国内外に存分にアピールする絶好の機会であり、シカゴ市は半年以上前からこのイベントに向けて並々ならぬ意気込みで準備を進めていた。

シカゴを知り尽くす歓迎ツアー
 今回のIPWに参加したのは、70か国以上、国内外500のメディアを含む6,200人余り。この中にはシカゴが初めてという人たちも多いため、この機会を利用してシカゴ市は参加者向けに様々なオプショナルイベントを企画して出迎えた。
 まず、4月5日のオープニング日に行われた半日の市内観光では、シカゴ観光の一番人気である「シカゴ川クルーズ建築ツアー」をはじめ、「映画のロケ地ツアー」、「Jazz& Bluesツアー」、「シアターツアー」など様々なテーマからシカゴを堪能する11種類のツアーが用意され、いずれも満員御礼。


 ちなみに当メディアは“移民の町シカゴ”のネイバーフッドを訪ねるツアーに参加した。若者に人気の新しい街、“ウィッカー・パーク”、プエルトリカンの町として知られる“フンボルト・パーク”界隈、“ウクライナ・ビレッジ”、緑の美しい住宅街“ローガン・スクエアー”、観光客にも人気のおしゃれな繁華街“リンカーン・パーク”をガイド付きのバスで巡り、シカゴにおける移民の歴史や文化を学ぶとても興味深いツアーだった。灯台下暗しで普段はゆっくりと尋ねることのないネイバーフッドを、専門家による丁寧な解説付きで回ることができ、より奥深く近郊の町について知ることができた。(各々の解説は「旅行」ページにて更新予定)

 翌4月6日には、エマニュエル市長も出席し、ジョン・ハンコックセンターにてメディア向けのブランチが開かれた。地上1,000フィート(約300メートル)、94階の「360 CHICAGO (旧展望台)」から文字通り360度見渡すシカゴ市内の景観は、圧倒的な美しさだ。ここに間もなく、新アトラクション“TILT(ティルト)”がオープンする予定だ。ティルトとは、スチール製の枠とガラス張りの外壁とが一体となったプラットフォームで、床に立つとこのプラットフォームがゆっくりと傾き始め、建物から張り出すスリル満点のアトラクション。5月からの新たな観光名所になるに違いない。
 

 フロアに並んだ出店では、シカゴのトップシェフやミクソロジスト(カクテル・バーテンダー)が自慢の一品を目の前で作ってくれる。“味覚の町シカゴ”を改めて実感するひと時。海外のメディアも、今までのアメリカの都市とは違う、シカゴのクオリティの高さに気づいたはずだ。

 
 
(参加レストラン名:Embeya, Goosefoot, Mindy's Hot Chocolate, Moto/iNG, Nightwood, Sable Kitchen & Bar, Three Dots and a Dash, Honey Butter Fried Chicken, Koval Distillery, Longman & Eagle/Dusek's, Sepia, Sixteen, The Berkshire Room, the Signature Room and Vosges Haut-Chocolat.)

 午後からは、メディア向けの市内視察ツアー。「スウィート・ホーム・シカゴのおやつツアー」、「シカゴのスポーツ・アリーナ」、「アートな街・シカゴ」、「レストラン・ロウのグルメツアー」、「シカゴを変えた女性たち」、「シカゴのブリューワリーツアー」、「禁酒法とJazz & Blues」など、こちらも魅力的な14テーマによるツアーが用意された。当サイトが潜入したのは・・・

ゲイフレンドリーな町、シカゴ。
 シカゴは、アメリカでも最も性的マイノリティ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)にオープンな都市のひとつとして知られており、“類をみないゲイ・コミュニティー”として認知されているボーイズタウンの存在や、毎年6月末に行われるゲイパレード(Chicago Pride Parade)も有名だ。「LGBTQツアー」と名付けられたツアーでは、そんなシカゴのゲイ社会の歴史と今を訪ねた。
 
 まず、シカゴ出身の社会改革活動家ジェーン・アダムス女史が1889年に古い邸宅を再利用して始めたセツルメンツ(共同住宅)「ハルハウス」へ。シカゴサウスの貧しい労働者階層の移民たちが、人種や性別にかかわりなく平等に社会的、教育的な学習の機会を得られるようにとスタートしたもので、彼女はその後もここを拠点に性差別の撤廃、平和活動、市民運動にも尽力し、1931年にアメリカ女性で初めてノーベル賞(平和賞)を受賞した。
 ジェーンはまたゲイ(レズビアン)でもあり、40年間にわたるメアリー・ロゼット・スミスとの関係は、同士という域を超えた深い愛に満ちていたという。
 この後、シカゴのLGBTQコミュニティーの中心地ボーイズタウンを散策、人気ゲイバーのひとつ「Sidetrack」でツアーは締めくくられた。ダウンタウンから5キロも離れると、街は全く違った表情を見せる。シカゴは実に奥が深い。
 
 ツアーを一緒に体験した他国メディアの人たちも、強烈な印象を受けた様子。ドイツから参加しているコリーナさんも「シカゴにこんなに大きなゲイコミュニティーがあるとは知らなかった。とても興味深い」と驚く。





レインボーフラッグが躍るボーイズタウン

      



 “文化の多様性”を強調した開会・閉会イベント
 シカゴ市の“diversity(多様性)”は、パーティイベントでも完璧に表現されていた。4月7日の夜に行われたオープニングイベント会場では、ミニチュアのCTA(地下鉄)や、ブロードウェイ・ステージがしつらえられ、また市内の有名レストラン&Barのベンダーが夜店のように会場内にぐるりと並ぶ。さしずめそこは「巨大なシカゴ・アミューズメント」のようだった。

 

  
 (左) 場内の「ブロードウェイ・ステージ」では、ミュージカル「Motown The Musical」のプレビューが行われた。
 (右) メインステージでは、今年のグラミーにノミネートされている、今最も注目の若き女性シンガー、Janelle Monaeが力強いパフォーマンスを見せた。

 
   

 4月9日の閉会パーティーが行われたのは、シカゴの誇る「産業科学博物館」。シカゴの多様な民族と音楽をテーマに、ブルース、ジャズ、ポップス、ハウス・ミュージック、インド音楽、メキシカン音楽などが様々なソウルフードとともにフロアごとに楽しめる仕組みだ。来客は博物館内の展示をゆっくりと見て回りつつ、各ネイバーフッドの味に舌鼓を打つ。音楽に熱狂する人もいれば、興味深い科学実験に興じる人たちもいる。この自由でオープンな趣向はまさにシカゴならではで、参加者にも大好評だったようだ。






サイエンス、音楽、食、多民族が見事に結集したエンディング
 
        
        最後を締めくくったシカゴの歌姫、ジェニファー・ハドソン


280億ドルの経済効果が期待
 2001年以来最高となる国内外1,400の旅行バイヤーを集めた今回のIPW。4月7日からの3日間で約9万5,000件の商談が行われ、これにより今後3年間、アメリカ全体で8,800万人の観光客の追加誘致が期待されている。これらは280億ドルの経済効果と11万5,000件にも及ぶ新たな仕事の機会を生み出す計算だ。
 コンベンション会場は、アメリカの観光に携わる人々の「一人でも多くの人にアメリカに来てもらいたい」との熱意と熱気にあふれていた。同時に、観光都市としてのさらなる飛躍を目指すシカゴの今を、国内外に強烈に印象づけた5日間だったといえるだろう。

 当サイト「US新聞ドットコム」は、「シカゴを中心とした中西部の魅力を伝え、日本からより多くの人々に足を運んでもらいその素晴らしさを実感してもらう」ことをミッションに掲げている。西海岸でも東海岸でもない、独自の進化を続けるシカゴという街の奥深さを今回目の当たりにし、改めてその思いを強くした。

海外メディアの商談風景。日本のメディアにも次々と各州の担当者が売込みに詰めかけた。
シカゴ〜中西部も、今まで以上に日本の旅行誌に取り上げてもらいたい





                          (文責/撮影 :長野尚子 Text/Photo by Shoko Nagano)


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