2008年4月、全日制日本語幼稚園、「シカゴすみれ幼稚園」設立

 2008年4月、シカゴ郊外アーリントン・ハイツ市に、シカゴ双葉会日本人学校付属のシカゴすみれ幼稚園が、全日制の日本語幼稚園として設立される。近年、若い日本人駐在員の増加と共に、幼児を持つ日本人家族が増え、「シカゴの日本人コミュニティの中心地にある日本人学校内に日本語幼稚園があったら。」という長年のみんなの願いがようやく実現する。シカゴすみれ幼稚園は、日本人学校と同じく、JCCCがサポートし、双葉会が運営するというから、みんなの期待は高まる。いったいどんな幼稚園をめざすのだろうか。




●日本の幼稚園を再現したい

 「日本の幼稚園を再現したい。」「まず、豆まきのような日本の行事・文化を、創作的なお遊戯や遊びを通して、子供たちに伝えていきたい。」とシカゴすみれ幼稚園準備設立委員会の委員長、時田正敏氏は冒頭で熱っぽく語る。文部科学省が定める幼稚園教育要領に準拠し、自由保育と設定保育のバランスのとれた保育をめざし、4,5歳児の年齢にふさわしい日本人としての礼節や基本的生活習慣を身につけ、安全性を確保するという。アメリカの小学校の施設を借りている日本人学校の環境の良さを最大限生かし、「広々としたグラウンドで自由に遊ばせたい。」という。

 日本の幼稚園と同じように、週5日、保育時間が午前9時から午後2時15分。年中、年長クラス共に、15名づつの定員で、各クラス1人の担任の先生に主任の先生がもう1人つく。この地の多くの日本人幼児たちが、現地のプリスクールと日本人の先生がいるプリスクール、日本語幼稚園そして日本文化・日本語の単発のクラスやサークルなどを掛け持ちしているケースが多いが、すみれ幼稚園に入ると幼稚園自体は、一つにしぼることになる。つまり、本当に日本語主体の幼児教育を最優先する親たちが、通わせる幼稚園ということだろう。アメリカのプリスクールの素晴らしい魅力的なプログラムも知っていると、そこまで踏み込むのは、もったいないような気もするが、アメリカにいながら、日本にあるような完全な全日制の日本語幼稚園に通わせるという選択肢が一つ広がったということだ。日本語を確立しながら、かつ小さな頃から早めに英語に慣らしたいなら、今まで通り、現地のプリスクールと両方通え、曜日の選択ができる既存の日本語幼稚園か日本人の先生のいるプリスクールという選択になるだろう。

●1日1日の積み重ねが大事です
 
 「教育の何かを伝えようとすると、ちゃんとしたカリキュラムをたてて、1日1日の積み重ねが大事です。」と時田氏は確固と語る。時田氏は、日本語幼稚園設立に向けて、日本の幼稚園を53園も調べ、また、双葉会事務局と上記委員会では、こちらにいる保護者たちがどのような幼稚園を欲しているか、去年の10月末にアンケートをとって、検討した結果、保育内容を決めた。


 シカゴ日本人学校が誇る2万5000冊もの本がある図書室で日本語の本に親しみ、「いい環境を持つ日本人学校の畑で、日本の野菜も作り、日本を感じさせたい。」と時田氏は続ける。日本人学校全日校小学部は、毎年各学年ごとに畑を持ち、さまざまな野菜を育て、収穫するという素晴らしいプログラムがあるが、その畑の横に新しく幼稚園用の畑も作る予定だという。付属幼稚園なので、日本人学校全日校の運動会や文化祭のような大きな行事にも初年度から限定的だが、一部のプログラムに参加させるという。

 また、英語教育に関しても、前年度から全日校小学部1年生から3年生が行っていて好評の、子供たちが英語を好きになるような日本語と英語のバイリンガルのアメリカ人の先生が教える、「英語遊び」の時間を定期的に設ける予定だそうだ。

 全日校のようなバス通学ではなく、保護者による送迎によって、先生方とのコミュニケ−ションを日々重視し、(そのため、13時45分から30分間をお迎えの時間に設定)別途、保護者会や相談会なども先生と関係者で行う予定だという。

●正直言って、うらやましい気がした

 取材していて、正直言って、うらやましい気がした。もっと前にそんな幼稚園があったら、あれほど苦労しなくてもすんだのに・・・現在小学校2年生で全日校に楽しく通う次男が、4,5年前、かつてこの地でプリスクールに通っていた時、長男が日本で通っていたようなしつけにやや厳しく、スモック姿のやさしさにあふれた先生たちがいたなんともいえない昔ながらの幼稚園を何度夢見たことだろう。日本ではそういう幼稚園はたくさんあるのに・・・

 今振り返ると、次男は、日本語がすらすら出始めた2歳でアーリントン・ハイツ市に引っ越してきて、少しでも早く英語環境に慣らそうと私が無理をさせたような気がする。親子でパーク・ディストリクトのさまざまなクラスやサマー・キャンプをとるなど、私としては用意周到な準備をしたつもりだった。3歳後半で、ますます早く慣らそうと二つのプリスクールに週5日間最初から通わせたのだが、おそらく次男は二つの言語の狭間で混乱していたと思う。人間関係を築く大事な時期に「お友達に手をだした」という理由で、アメリカ人のプリスクールの先生たちから、かなり責められ、私も精神的に追い詰められた時期がある。

 毎日どきどきしながら、次男を預け、藁をもすがる思いでいろんな方々に相談して、人間味に溢れる2人の日本人の先生とアメリカ人の先生が運営するプリスクールに助けてもらった。アイタスカ市にあるそのプリスクールは、アメリカのプリスクールの良さと日本の幼稚園の良さをたして二で割ったような理想的なインターナショナル・プリスクールだった。

 基本的には、アメリカ人の先生が主体で英語でプログラムが進められ、その子供たちの日本語の遅れなどの状況によって、日本人の先生が日本語で対応してくれた。日本の幼稚園で行われているような劇の発表会もあり、次男が入ってすぐ参加したクリスマス劇の発表会で、次男が演技をしながら発した英語の1つのセリフに目頭が熱くなったものだ。スモック姿のエネルギッシュな日本人の先生と、持ち前のビッグ・ハートで子供たちを大きく包み込むようなアメリカ人の先生との絶妙のコンビで運営されたこの幼稚園は、グレース・インターナショナル・プリスクールと名前と場所を変えて今もアイタスカ市に存在している。

 当時、近所の別のプリスクールに週2日通いながら、片道車で35分かかるそのプリスクールに週に最初は1日、その後2日、半年通った。おかげで、次男は、次の年の4歳児プログラムの時は、近所のプリスクール1本で、アメリカ人のクラスの中、日本人1人ででもとけ込み、次の年の公立のキンダーガーデンでもベテランのいいアメリカ人の先生のもとで、順調に楽しく過ごせた。当時、アイタスカ市のプリスクールで、英語環境になじめなかった多くの子供たちが、救われている。(勿論今もだと思うが)そこにしばらくいて、日本人の先生のいる安心した環境で、基本的な人間関係とこちらのプリスクールのシステムになじんでから、現地のキンダーへ何の問題もなく入っていった子は多かった。

 次男の日本語環境を整えるのに、キンダー前まで、アーリントン・ハイツ界隈ではおなじみの日本文化を教えるクラス「風の子クラブ」と、50音を主体に個人の先生が教える日本語教室にも週一回づつ通った。キンダーに入る直前の夏休みは、聖マタイルーテル日本語幼稚園と「わくわく広場」が主催する人気の「泥んこキャンプ」にも1週間入れた。そして、こつこつ親子で、ベネッセの進研ゼミ「しまじろう」シリーズに取り組み続け、毎晩主人と2人で交互に絵本の読み聞かせをした。当時、「英語がはいってきたがために、遅れた次男の日本語を確立させねば。」と私は必死だった。

 そうしているうちに、日本人の親しい仲間が親子でできて、日本人学校補習校幼稚部に入園したとき、「やっとここまで来れた。」となんともいえない感慨に浸ったものだ。その補習校幼稚部では、次男は素晴らしい担任の先生とも巡り合えた。子供たちと接するのは、週に1回なのに、子供たち同志の友達関係もしっかり把握し、その子その子のいい部分を認め、のばしてくれた。しかし、それでも、私たちはどうしても次男に日本の幼稚園を体験させたいがために、年長の時、多額の入園料金も払って、長男が通った幼稚園に1週間体験入園をさせた。

●基本的な人間形成を行う上で、一番重要な時期と言われる

 幼児期は、人が基本的な人間形成を行う上で、一番重要な時期と言われる。2004年にナイルズにできて、園児の人数も毎年増加傾向にある聖マタイルーテル日本語幼稚園、前述のグレース・インターナショナル・プリスクール、その他さまざまな日本文化・日本語クラスを運営している先生方の日々の努力によって、多くの日本人の幼児たちが貴重な日本語環境を得、その親たちは安心してシカゴで生活できるといえよう。「海外で駐在をしている母親たちは、全身全霊で子供を守る。」と以前読んだ帰国子女教育の雑誌に書かれていたが、子供たちの精神面を全身全霊でささえるのも私たちの仕事である。

 すみれ幼稚園は、「たとえ最初が弱い掛け橋でもいい。じょじょにその掛け橋を太くしていって、将来いいものができればいい。」と時田氏は澄んだ目で遠くを見つめる。すみれ幼稚園・・・きれいな響きだ。すみれは、イリノイ州を代表する可憐な花であり、世界各地に見られるたくましい野花だ。将来世界に大きくはばたく大切な子供たちを預かる気概を感じる。シカゴすみれ幼稚園の誕生と共に、数少ない既存の日本語の幼稚園やクラスがお互い共栄、共存し、シカゴの日本人コミュニティがますます住みやすい場所となりますように!頑張れ、若いママたち!



シカゴすみれ幼稚園 豆まき入園説明会
2008年2月3日 午前10(受付開始)〜正午 シカゴ双葉会日本語学校図書室
お問い合わせ先 双葉会事務局 TEL: 847-590-5700  yochien@chicagojs.com
2550 N. Arlington Hts. Rd. Arlington Hts., IL 60004


聖マタイルーテル日本語幼稚園 入園説明会
2008年1月27日(日)午後2時〜4時まで 
聖マタイルーテル日本語幼稚園教会地下にて 
お問い合わせ先 八巻 TEL: 847-297-5898  yamakimr1@hotmail.com
9204 N. Milwaukee Ave., Niles, IL 60714


Grace International Preschool
お問い合わせ先 ウイアリー明美 TEL: 630-250-0123
716 E.George, Itasca, IL, 60143


風の子クラブ
お問い合わせ先 松本江津子 TEL: 847-253-7509  matsumotoshidokan@comcast.net
950 W. Northwest Highway Arlington Heights., IL 60004


わくわく広場 & 泥んこキャンプ
お問い合わせ先 田所  tabachan@att.net
泥んこキャンプは4歳から6歳までが、8月1週目と2週目。
2,3歳児用親子キャンプは2日間、日程は未定。


                          記事:馬場邦子 写真:提供双葉会

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