シカゴ音楽三昧記
ジャズ、ブルース、ロック、R&B、クラシック、ミュージカル、オペラ・・・シカゴはさまざまな音楽の宝庫。この新連載では、音楽なしでは生きていけない編集長自らが日々体験したシカゴでの音楽ライブを、逐次レポートしていきます。どうぞお楽しみください♪
●Text & Photo/ Shoko Nagano

<第9回> シカゴ郊外の名所“リバーエッジ・パーク(RiverEdge Park)”@Aurora市       



 シカゴ市内から電車で1時間(約66Km)、西部郊外の町Aurora(オーロラ市)に2013年に完成した野外コンサートホール “RiverEdge Park(リバーエッジ・パーク)。今年で3年目を迎え、今ではすっかり郊外の野外音楽ホールとして人気が定着した。フォックス川のほとりで緑も多く、田舎の朴訥とした空気が心地よい場所だ。メトラの駅(Aurora駅)の真向にあるので、車がなくても簡単に行けるのがうれしい。今年もここで20を超える様々なカルチャー&音楽イベントが開かれ(※1)、地元民のみならず他の町や州からも多くの人たちがオーロラ市を訪れた。地元にとっての経済効果も絶大だ。(過去の記事:http://www.usshimbun.com/Music-Series/music-vol.2-Frampton'sGuitarCircus

フォックス川沿いにはサイクリング専用の道路が整備されているほか、ハイキングやカヌー、カヤックなどが楽しめる。
 
 今回は、2015年に行われたイベントのなかからいくつか紹介してみよう。


6月19〜20日 “Blues On The Fox” (ブルース・フェスティバル)
 毎年、シカゴのブルース・フェスの翌週末に行われる、知る人ぞ知る通なブルース・フェスティバルで、今年で第19回目。数年前まではオーロラ市ダウンタウンの橋の上で細々と(もちろん無料で)行われていたのだが、年々うわさが広がり訪れる人が増えすぎてほぼキャパが限界に達していた。2013年から会場をリバーエッジ・パークに移し、内容もさらにパワーアップ。(有料)

 さて、第19回目を迎えた今年の出演は、ROYAL SOUTHERN BROTHERHOOD、NORTH MISSISSIPPI ALLSTARS(19日)、MORELAND & ARBUCKLE、OTIS TAYLOR BAND、MAVIS STAPLES、TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUE(20日)という豪華な顔ぶれ


ご存知、ニューオリンズのネヴィルブラザーズのシリル・ネヴィル率いるニューオリンズサウンズバンド、ROYAL SOUTHERN BROTHERHOOD

  (左) ステージ前方にはスチール椅子席がありゆったり座れる (右)ボートからのんびり鑑賞する人たちも





 フェスティバル二日目に登場したのが、伝説のシンガー、メイヴィス・ステイプルズ。シカゴ出身のゴスペルバンドで1960年代にソウル・ポップに分野を広げて人気を博した「ステイプル・シンガーズ」のメンバーで、今もただ一人現役バリバリで活動を続けている彼女。ドスのきいた迫力のある声が会場に響き渡ると、そこはあたかもサウスサイドの教会のよう。ミュージシャンと観客との熱いコール・アンド・レスポンスが繰り広げられた。しかし、3曲が終わったところで雨が激しくなり、次バンドへといったんステージが引き継がれた。
 
 続くTROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUEの途中で激しい雷雨となり、止む無く公演は中止に追い込まれた。最高に格好良いバンドだったのに残念。野外コンサート会場は雷雨には勝てない。


7月31日 Hall & Oates(ホール&オーツ)
 80年代にその名をとどろかせた人気ロックデュオ、ホール・アンド・オーツ。この会場でロックコンサートを見たのはこれが最初だったが、会場は今まで経験したことない超満員の人・人・人。後ろの芝生席まで埋め尽くす勢いだった。観客の年齢層は、いわゆる“ディスコ世代”の50代〜60代がほとんど。
 オープニングはいきなり1982年の大ヒット曲「Maneater」。会場がどよめき、往年の若者たちが踊り狂う。彼らの変わらぬ人気の高さに、正直驚いた。


 

「昔は恰好よかったのに激変しちゃって・・・」という残念なロックスターが多い中、このふたりはちっとも変っていなかった。いい意味で期待を大きく裏切ってくれた。80年代に青春を謳歌した人たちが、巨大スクリーンを見ながら飲んで騒いで大合唱。
          (Photo by Thomas King)


■ 8月22日 Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)

 こちらも、ディスコ世代にはたまらない伝説のグループ。モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーのツインヴォーカルに、ヴァーダイン・ホワイトのメロディアスなベース、そしてゴージャスなホーンセクションが一世を風靡したアース・ウィンド・アンド・ファイアー(EW&F)。バンドの名前を知らない人でも、曲を聞けば必ず聞き覚えがあるはず。
 この日は土曜日とあって、午後6時の開場を待ちきれない人たちで会場前は長蛇の列。もう数時間も待っているのだろう、ローンチェアですっかりくつろぎながら歌の“予習”をしているグループもいた。「チケット買います」のボードをもってさまよっている人も。もちろん今日のチケットは、全て売り切れだ。

 
オリジナルメンバーでヴォーカルのフィリップ・ベイリーと
ベーシストの常識を大きく変えた、ヴァーダイン・ホワイト
 会場は巨大ディスコ会場と化す

  いつもは白人層が大半を占める会場も、この日ばかりは黒人層が圧倒的に多い。シカゴ出身のメンバーによって結成されたバンドということもあり、彼らにとってEW&Fは特別な存在なのだろう。現バンドに残っているオリジナルメンバーは3人だけになったものの、フィリップの天を突くようなファルセットヴォイスは健在で私たちをあっという間にあの頃に引き戻してくれる。
 
 コンサートには、EW&Fを知らぬ若い世代の姿も。母親と見に来ていたミッチェルくん(ネイパービル市・17歳)は、初めて聞く“生EW&F”に感動冷めやらぬ様子で、嬉々としてTシャツを購入。母親のトマシーナさんは、「私が好きでよく聞いていたから、息子もこの時代の音楽が大好きなの。今日は一緒に来れて最高だったわ!」と興奮気味に話してくれた。「家からそう遠くない場所にこんなに素晴らしいコンサートホールができて、大好きなアーティストが来てくれるなんて、郊外に住む私たちにとっては本当にうれしいこと」 彼女のこの一言は、まさに私の言いたいことをそのまま代弁してくれた。

 コンサートを観にシカゴに出かけていくのも、郊外在住者にとってはちょっとしたプチ旅行。渋滞を覚悟しての運転や駐車場探しのストレスと常にたたかうことになる。「リバーエッジ・パーク」のオープンは、私たちからそんなストレスを解放してくれたのだ。徒歩圏内にパーキングがたくさんあるうえ、荷物の多い人たちのために無料送迎バスサービスもある。シカゴ市内から来た人たちに「遠いところお疲れ様」と言える軽い優越感も快感(笑)
 また、通常の大きな会場なら100ドル以上はするであろうチケットも、ここでは50ドル前後のリーズナブルな価格で買うことができる。会場内には食べ物の屋台も並び、地ビール会社「Two Borothers」やワインなどの販売カウンターもある。屋内のトイレも完備。そしてなによりも、自然の中で寝そべってゆったりと極上の音楽に浸れるのが贅沢の極みだ。

 こんなささやかな幸せを味わえる新名所、「リバーエッジ・パーク」。2016年もさまざまなコンサートイベントが予定されているので要チェックだ!


■(※1) 「リバーエッジ・パーク」で行われた主なイベント(2015年)
6/6 SOULFEED SMOOTH JAZZ FESTIVAL?
6/13 BODEANS
6/19 - 20 BLUES ON THE FOX FESTIVAL 〜19TH ANNUAL
7/3 AURORA’S FOURTH OF JULY CELEBRATION
7/ 5 SACRED HEART FESTIVAL
7/ 10 SMASH MOUTH & TOAD THE WET SPROCKET 〜with special guest TONIC
7/17 DOWNTOWN ALIVE! 〜One of These Nights: Eagles Tribute Band & Cowboy Jukebox
7/18 REO SPEEDWAGON
7/24 ROCK THE YACHT 〜Little River Band, Ambrosia, Player, Stephen Bishop, Robbie Dupree
7/25-26 PUERTO RICAN HERITAGE FESTIVAL
7/31 DARYL HALL & JOHN OATES
8/7 DOWNTOWN ALIVE! 〜Maggie Speaks & Catfight
8/15 SING-A-LONG FROZEN Movie in the Park
8/21 GET THE LED OUT 〜The Led Zeppelin Tribute
8/22 EARTH, WIND & FIRE
9/5 FOX VALLEY IRISH FESTIVAL 〜Blaggards, The Ploughboys & Brendan Loughrey
9/13 FIESTAS PATRIAS FREE
9/19 JAZZ NATIONS FESTIVAL

■ RiverEdge Park リバーエッジ・パーク
 
Photo :https://www.facebook.com/RiverEdgeAurora

住所:360 N Broadway Ave. Aurora, Illinois
電話:(630) 896-6666
http://www.RiverEdgeAurora.com
FB : https://www.facebook.com/RiverEdgeAurora

:※ Auroa(オーロラ市)でライブミュージックが楽しめるお勧めの場所。
「Two Brothers Round House」
大人気の地ビール会社“Two Brothers”が経営するビアレストラン&ライブハウス
205 N. Broadway Ave. Aurora, IL 60505
電話: (630) 264-BREW (2739) 
http://www.twobrothersbrewing.com/roundhouse/



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