シカゴ音楽三昧記
ジャズ、ブルース、ロック、R&B、クラシック、ミュージカル、オペラ・・・シカゴはさまざまな音楽の宝庫。この新連載では、音楽なしでは生きていけない編集長自らが日々体験したシカゴでの音楽ライブを、逐次レポートしていきます。どうぞお楽しみください♪
●Text & Photo/ Shoko Nagano


<第2回> フランプトンズ・ギターサーカス (2013.08.16)

 シカゴ市内から西に約40マイル(約66Km)、イリノイ第2の人口を誇るAurora(オーロラ市)に今年、新たなる名所が完成した。その名は“RiverEdge Park(リバーエッジ・パーク)。オーロラ市と民間企業、自然保護団体などが協力し、シカゴのミレニアム・パークやグラント・パークなどを参考にしながら7年間の構想の末創り上げた“住民のための憩いの庭”だ。

 市内を南北に流れる大動脈フォックス川の河畔30エーカー(東京ドームの約3倍)に広がる、カヤック&カヌー場、ピクニック広場、約4万uのコンサート会場を擁した大娯楽施設は、都市部にはない独特のゆるやかな空気感を漂わせている。
 2013年6月17日のグランド・オープニングを飾ったのは、オーロラ市が長年にわたって開催してきた知る人ぞ知るコアなブルースイベント、“Blues On The Fox”だった。真新しいコンサートホールで行われた、世界を代表するブルース・レジェンド、バディ・ガイの熱いステージは、ここオーロラに新たな歴史を刻んだ。


 それから2か月後の8月16日。同じこの場所でギター少年(おじさん)たちを狂喜乱舞させるイベントが開かれた。「Frampton’s Guitar Circus」。名前からご想像のように、70年代後半、一世を風靡したイギリスのギタリスト&シンガーのピーター・フランプトンの全米ツアーだ。フランプトンのゲストとして参加したギタリストたちがこれまた強力だ。泣く子も黙るブルースの“帝王”B.B.KING、チープ・トリックのリック・ニールセン、4度のグラミー賞受賞に輝く、jazz・blues・rockギタリスト、ラリー・カールトンときたからもうたまらない。この面々を一堂にして見られるチャンスは、またとないだろう。


(右)スライドギター・レジェンド、 Sonny Landrethが4時間のショウの幕を開ける

 そして、B.B. King。私が最後に彼を見たのはもう5年も前、2008年のシカゴ・ブルース・フェスティバルだった。その時は持ち時間の半分ほどしかステージに立たず多少弱って見えたので心配していたのだが、この日のKINGはなんだかとても調子よさそう、というより楽しそうだった。歌よりも観客に語りかける時間の方が長かったが、声の張りや艶は健在。また、ファインダー越しに目が合うと思わずドキリとしてしまう色気が漂っていた。 さすがだ。御年87歳、KINGはその存在そのものが宝なのだ。
 “Nobody Loves Me but My Mother”、“Rock Me Baby”と続き、“You Are My Sunshine”を客席と大合唱。U2の“When Love Comes to Town”、そして最後はフランプトンをステージに呼び入れて“The Thrill Is Gone”をたっぷりと時間をかけて聴かせてくれた。これを聴けただけで今日はもういい、とさえ思えたひと時だった。どうか、またこれが聴けますように!


 B.B.KINGがステージを去ってちょっとした腑抜け状態になり、人気の地ビール「Two Brothers(※)」で気持ちを落ち着かせていたら、同じく列に並んでいたオジサマが話しかけてきた。
「今日は誰がお目当て?」「・・実は、B.B.KING。あなたは?」「ボクもそうさ(笑)」
 シカゴでも最近なかなかB.B.KINGのパフォーマンスを見られる機会はないためか、今日は観客の多くがイリノイ各地から詰めかけているようだった。

 そして、“主役”ピーター・フランプトン登場。
 1976年にリリースされたアルバム “Frampton Comes Alive”が全世界で1000万枚を売り上げる驚異的な大ヒット作となり、彼のことを知らずとも“Show me the way”などの曲は必ず耳にしたことがあるはず。




 当時の“アイドル”も今ではすっかり頭が薄くなってしまったが、“Show me the way”を含め、“Do You Feel Like We Do”、“Baby, I Love Your Way”などのヒット曲を立て続けに熱唱。最前列に陣取った当時の少女たちも熱い声援をおくりつつ、40年ほど若返っていた(かも)。
 「ギター・サーカス」のタイトル通り、めまぐるしくギターを替えたフランプトン。2つ目に登場したのが、この“1954年製ギブソン・レスポール・カスタム”。
実はこのギターは輸送中の飛行機が1980年にベネズエラで墜落事故を起こし行方がわからなくなっていたもので、2011年に発見され31年ぶりに彼の手元に戻ってきたといういわくつき。フランプトンはこのギターを“フェニックス”と名付けてその後のレコーディングやツアーで大切に使っているそうだ。
 
(左)ラリー・カールトンの職人芸が光る 
(右)ピーターの息子、ジュリアンがバックヴォーカルで出演、リック・ニールセンのギターで熱唱

 午後6時半の開演からアンコールを入れてほぼ4時間余り。レジェンドたちが繰り広げたギターバトルは、年齢や性別も人種も多様な、まさにこの新しい名所オーロラ市を象徴するかのような観客たちを熱くした。


<Set List>
1. Magic Moon (Da Da Da Da Da!)
2. Doobie Wah
3. Lines On My Face
4. Show Me the Way
5. Wind of Change
6. Double Nickels
7. RCM (with Larry Carlton)
8. Friday Night Shuffle (with Larry Carlton)
9. (I'll Give You) Money
10. I Want You to Want Me (with Rick Nielsen) (Julian Frampton on Backup Vocals)
11. Surrender (with Rick Nielsen) (Julian Frampton on Lead Vocals)
12. Black Hole Sun (Soundgarden cover)
13. Baby I Love Your Way
〜Encore:
・ Off The Hook
・ While My Guitar Gently Weeps (The Beatles cover)
(with Rick Nielsen) (Larry Carlton)
 
(参照/http://www.setlist.fm/setlist/peter-frampton/2013/riveredge-park-aurora-il-6bc62636.html)





※RiverEdge Park: 360 North Broadway in downtown
 http://riveredgeaurora.com/

※Auroa(オーロラ市)でライブミュージックが楽しめるお勧めの場所。

Two Brothers Round House」 : 205 N. Broadway ? Aurora, IL 60505 ? (630) 264-BREW (2739) 
大人気の地ビール会社“Two Brothers”が経営するビアレストラン&ライブハウス
http://www.twobrothersbrewing.com/roundhouse/

「Ballydoyle (Irish Pub & Restaurant)」 :28 W. New York Street Aurora, IL 60506 ・(630)844.0400
http://www.ballydoylepub.com/


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